「このサプリ、〇〇に効きますよ!」
「これを飲めば、確実に体脂肪が燃えます!」
クライアントの結果を出したい一心でのこのような声かけ——実はサプリメントの販売・指導においては「薬機法(旧薬事法)」などの法律に抵触するリスクが非常に高いNGワードです。
パーソナルジムにおける物販は重要な収益源ですが、正しい知識を持たずに提案を行うと、ジムの信用問題に発展する可能性があります。今回は、トレーナーが最低限知っておくべき薬機法の基本と、法律を遵守しつつもクライアントの心を動かす「サプリ提案の言い換えテクニック」を解説します。
1なぜトレーナーに薬機法の知識が必要なのか?
そもそもサプリメント(健康食品)は、法律上「医薬品」ではなく「食品」に分類されます。そのため、医薬品のように「病気の治療・予防」や「身体の組織機能の増強・促進」を目的とする効果効能を標榜(ひょうぼう)することは固く禁じられています。
万が一、ジムのスタッフがSNSやセッション中に違反する表現で販売を続けてしまった場合、行政指導やペナルティの対象となるだけでなく、大切に築き上げてきたクライアントからの信頼を失うことになりかねません。
2現場でやりがち!NG表現とOKな言い換えの具体例
具体的にどのような表現がNGで、どう言い換えれば良いのでしょうか。現場でよくあるケースをまとめました。
「疲労回復に効きます」
「便秘が治ります」
「毎日の健康維持のために」
「すっきりとした朝を迎えるサポートをします」
「飲むだけで筋肉がつきます」
「体脂肪がみるみる燃焼します」
「トレーニング時の栄養補給に最適です」
「ボディメイクを効率的にサポートします」
「誰でも絶対に痩せる」
「日本一効果がある」
「多くのお客様にリピートいただいています」
「私自身も愛用しているおすすめの製品です」
💡 ポイント:「効果を断言する」のではなく、「日々の栄養補給や、トレーニングのサポート役である」という立ち位置を明確にすることが大切です。
3エビデンスに基づく提案が最大のリスクヘッジになる
「効果効能をうたえないなら、どうやってサプリの魅力を伝えればいいのか?」と疑問に思うかもしれません。そこで重要になるのが、事実とエビデンス(科学的根拠)に基づく論理的な説明です。
特に女性クライアントや健康意識の高い層は、「なんとなく効きそう」という曖昧な言葉よりも、安全性や納得感を重視します。
「この成分があなたの体にどう作用するか」を過大に語るのではなく、「PubMedなどの論文データにおいて、この成分が一般的にどう評価されているか」「現在のあなたの身体状態には、どの栄養素が不足しがちか」という客観的な事実を提示しましょう。正しい知識に基づいた冷静な提案は、誇大広告よりもはるかに強い信頼を生み出します。
4スタッフ間の「属人化」を防ぎ、ジム全体でリスク管理する
個人の知識レベルに依存したサプリ提案は、コンプライアンス違反のリスクを高めます。新人トレーナーが悪気なくNG表現を使ってしまうケースも少なくありません。
これを防ぐためには、ジム全体で「サプリ指導のマニュアル化」や「提案フローの標準化」を行うことが不可欠です。どのスタッフが担当しても、安全な表現で、かつエビデンスに基づいた均質な提案ができる仕組みを整えましょう。
薬機法などのルールは、サプリメント販売の足かせではありません。クライアントの安全を守り、プロフェッショナルとしてのジムの価値を高めるための重要な基盤です。言葉選び一つを見直すだけで、提案の説得力は大きく変わります。